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遺族年金に残る男女格差

年金制度はかつて、夫が働き老後の夫婦2人分の年金を支給するという趣旨で制度設計がされていたため、夫が亡くなった場合の妻への支給は手厚いものとなっていました。


遺族厚生年金については、「夫を亡くした」の場合、年齢制限はありませんが(ただし、子どものいない30歳未満の妻は5年間のみ受給)、「妻を亡くした」の場合には、55歳以上でないと受給資格がなく、さらに60歳以上から受給という年齢制限が設けられています。

また、中高齢寡婦加算については、「子のいない40歳以上65歳未満の」「子が18歳を迎えたなどの理由で遺族基礎年金を受給できなくなった」には年額596,300円が加算されるますが、夫についてはこのような加算はありません。

さらに、寡婦年金については、「国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間および国民年金の保険免除期間が10年以上ある」が亡くなったときに、「10年以上継続して婚姻関係(事実上の婚姻関係を含む)にあり、死亡当時にその夫に生計を維持されていた」に対し、その妻が60歳から65歳になるまでの間支給されます。ただし夫についてはこのような制度はありません。

このように、年金にも男女格差がまだ残っているものがあります。


ただし、時代の変化にともない少しずつ年金制度も変化しています。

遺族基礎年金については以前、「子のあるまたは子」という受給要件で父子家庭については受給できませんでしたが、平成26年4月改正後より、「子のある配偶者または子」という受給要件に改正され、徐々に男女差はなくなりつつあります。



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